泌尿器科専門医、透析専門医、及び経験豊富な透析スタッフにより、腎臓、尿管、膀胱、前立腺などの泌尿器系・男性生殖器の疾患、及び慢性腎不全に伴う透析医療をメインに診療いたしております。
泌尿器科では、男女の尿路(尿の通路である、腎、尿管、膀胱、尿道など)および男性の生殖器(精巣、精巣上体、前立腺、陰茎など)を対象とし,これらの臓器の,感染症,結石,がん,機能異常,先天異常などの病気を扱っています。当院で診療を行っている主な病気と治療は,以下の通りです。
初期のものでは特有の症状はなく(合併する前立腺肥大症の症状が出ていることはあります),検診などでの前立腺特異抗原(PSA)高値をきっかけに見つかることが多いです。PSA高値のすべてががんではないので,前立腺生検を行って確定診断します。主な治療法は,大きく分けて,(1)手術,(2)放射線,(3)薬の3つです。悪性度や病気の広がりなどにより,適切な治療法を選択します。当院では(3)薬のうち,ホルモン治療を行っています。(1)手術,(2)放射線や(3)の抗がん剤治療などの対象となる場合は,専門の医療施設に紹介いたします。
痛みなどの症状がないのに血尿が出る,エコー検査で疑われたなどののとき,膀胱鏡検査で診断します。治療と病理組織診断をかねての内視鏡手術が必要となりますので,専門の医療施設に紹介いたします。その後は,悪性度や病気の広がりなどに応じた治療が行われることになります。
無症状で検診や他の病気の検査中に偶然見つかることがほとんどです。多くの場合,手術の対象となりますので,専門の医療施設に紹介いたします。その後は,組織型,悪性度や病気の広がりなどに応じた治療が行われることになります。
結石の多くは腎蔵でできます。結石が、腎内にあるとき(腎結石)は症状がないことが多いですが,腎蔵から動いて尿管に引っかかったとき(尿管結石)には,背部,側腹部,下腹部などに激しい痛みや鈍痛を感じます。結石が膀胱近くに下りてくると,その刺激で尿が近くなることもあります。血尿が出ることもあります。エコー,レントゲン検査,CTなどで,位置や大きさ,形などを確認して,治療を行います。 小さな尿管結石(10×6㎜以下)は自然に体外に排出されることが期待できますので,痛みの処置をおこないつつ,排石を促すための投薬や飲水指導を行います。大きな結石や小さくても自然に出そうにない,出るまで待てそうにないもの(激しい痛みを繰り返す,尿管が詰まって腎臓からの尿の流れの障害が著しい,重篤な尿路感染症の合併など)の場合は手術が必要となりますので,専門の医療施設に紹介いたします。
加齢に伴い前立腺が肥大,尿の出口の締め付けが強くなるために尿が出にくくなります。下記の過活動膀胱を合併することも多いです。治療法は大きく分けて,(1)薬(2)手術の2つです。当院では(1)の薬による治療を行っています。尿の出口の締め付けを緩くする薬(交感神経α1遮断薬など),前立腺を小さくする薬(ホルモン剤),植物製剤などを使用します。状況により手術が望ましいと思われる場合には,専門の医療施設に紹介いたします。
膀胱の知覚(尿意)や運動(収縮)をつかさどる神経の障害で起こります。神経障害の部位や程度により,尿意を感じない,尿が出ない(出にくい),尿が近い,勝手に出る・漏れるなど,様々な症状を呈します。病状に応じて,尿の出口の締め付けを緩くする薬,膀胱の収縮を刺激する薬,膀胱の収縮を抑制する薬などを使い分けます。薬で十分な効果が得られない場合(自力で全く排尿できない,排尿できるが多量に膀胱内に残るなど)には,間歇導尿(1日に何回か管で尿をとる)か菅の留置が必要となります。
急に我慢できないような尿意に襲われることを主症状とする病気で,昼も夜も尿が近いことが多いです。トイレに間に合わずに漏らしてしまうこともよくあります。勝手に膀胱が収縮して排尿しようとするという状態です。(1)膀胱の副交感神経を抑制,あるいは(2)膀胱の交感神経を刺激して,この膀胱の「過活動」を抑えることが治療の主体となります。(1)副交感神経を抑制する薬(抗コリン薬),(2)交感神経を刺激する薬(交感神経β3刺激薬)をいずれか,あるいは両者を組み合わせて使用します。